iPhone OSを、3.0へとアップグレードした。
ダウンロードしたOSは、230MB。
神尾寿氏は「たったの230Mバイトである」と書くが、たかがケータイでこのサイズとは。私にとっては感無量である。
これに加えて各種アプリが加わる。さらに、3G Sともなれば、動画撮影+編集が加わる。
まったく、モバイルデバイスもすごいことになってきたものである。
さて、しかし、ゲームプラットフォームとしてのiPhoneにも、編集機能付きムービーカメラとしてのiPhoneにも、関心を強く喚起されない私だが、今回、激しく反応した新機能がある。
それは、「iPhoneを探す」だ。
さらに、この機能の一部として、「リモートワイプ」がある。
これらの機能は、OS 3.0とアップルが提供する有料Webサービス「MobileMe」の連携で実現する。
例えば、iPhoneをどこかに置き忘れたとしよう。「iPhoneを探す」を使うと、以下のような対策が可能になる。
- MobileMeの「アカウント」画面上で、自身のiPhoneの所在地を地図表示できる(下図参照)
- 当該iPhone画面に、MobileMeアカウントで作成したメッセージを表示できる(たとえば、「このiPhoneを拾った方は○×へご連絡を!」というようなに)
- 当該iPhoneが盗まれたりと、悪用される懸念がある場合、やはりMobileMeアカウントからiPhone内データを抹消する「リモートワイプ」を実行できる
元々、以前のOSにも簡単な認証機能である「パスコードロック」に、「データを消去」オプションが用意されていた。
これは、4桁の番号を入力させる認証操作を、10回失敗すると、iPhone内データを消去してしまうというものだ。
今回の「リモートワイプ」は、これを文字通りリモート操作できるようにしたものと言える。
愛用するiPhoneだが、どうも印象として“ビジネスユース”の臭いがしない。
言わば“お遊び”、“趣味の”デバイスという印象を脱していない。
ひとつの理由は、UIなどが良くできているため操作が楽しく、仕事をする道具という印象が薄いということがあるのだろう。
痛し痒しだ。
もう一つ。それは、セキュリティに関する機能実装が弱いこともあった。4桁のパスコードだけではなんとも心細い。
そこに、この「iPhoneを探す」機能が加わり、ようやくセキュリティを意識して、ビジネスの臭いがするデバイスへと進化してきたと言えそうだ。
Mac OS X10の次期バージョンが、ExchangeメールやOutlookとの親和性を高めたことも、ビジネスユースを強く意識したものだ。
iPhoneを、仕事の場で堂々と使える、ビジネスの臭いがする道具とする材料が整ってきた。
ただし、問題は有料サービスのMobileMeだ。
そろそろ、年間契約更新のタイミングで、解約しようと思っていた矢先だ。
多少のストレージサービスが付いているぐらいのこのサービスに、年間1万円近く出費するのは、いささか痛いところだ。