この週末、家人とともにあきる野市、武蔵五日市を訪ねた。
ここ3カ月ほど、母の病に始まり、その後の葬儀、もろもろ残務が続いてきた。
どうにかこうにかそれをこなし、おおよそ山場を越えた。
(まだ、相続にからむ作業が残るのだが)
というわけで、100か日忌にもかこつけて、川遊びで有名なあきる野、秋川渓谷沿いにある料理屋「黒茶屋」で昼食をしつらえることにした。
黒茶屋には昨年末の慌ただしい時期に、訪れたことがある(こちらに記事)。
前回は、冬、それも年末で、レジャー系の人びとはほとんど見かけなかった。
今回は、夏。川遊びの名所近くということもあり、家族連れや日焼けした人びとが目に付く。
JR五日市線の終点/始点である、武蔵五日市駅から徒歩で約20分。
山と川に挟まれ長く伸びる集落。
埼玉(秩父)、群馬、そして長野へと、交通の要衝として檜原街道沿いに発展した当地には、蔵づくりや構えの大きい商家が立ち並ぶ。
豊かで風情のある町並みが長く続く。
普通ならタクシー利用という距離だが、徒歩で楽しまなければ損だ。
街道の店先には美しい花々がディスプレイされたり、古民家が保存され郷土記念館となっていたりと、街道沿いや、一歩入った裏道などが楽しく、ついつい道草をしてしまう。
ようやく到着した、炉端焼き料理で有名な「黒茶屋」。
渓谷沿いに斜面を広々と確保し、古民家を複数移築した構えは、緑の豊富さもあって気分がいい。
立地が立地だけに、都会のど真ん中に忽然と古民家が建ち上がるのとは異なり、ごく自然な雰囲気だ。
毎度のことだが、個室で、炉端焼きを組み込んだ懐石料理を頂戴した。
焼き物自体は素朴でダイナミックなもので、素材がいのちだが、一方で、先付けなどには趣向があり、繊細さも盛り込まれていて変化を愉しめる。
写真左は、酢の物。いずれもフルーツのような色彩と味わい。
その右は、デザート。食用のホオズキが添えられていた。初めての味。
満腹で、さあ帰宅ということになるが、前回から目を付けているのが、竹細工などのみやげ物の工芸品。
渓谷を見おろす素晴しいロケーションに、なかなかできのいい民芸品がディスプレイされている。
右端の写真は、今回のお土産3種。自宅で撮影した。
左の手提げが付いた竹かごは2000円台、真ん中の平らなかごは1000円台と、十分に長く使えそうな仕上がりからすれば驚かされるほど安価(写真に写っているものは、高くても5000円程度だ)。ついつい、買占めに走りたくなる。
右に並んだ箱は、やはりみやげ物で手製の“お焼き”8個入り(笑)。
あんこ入りもしくはおいも入りでお菓子風だが、なかなかおいしい。
そういえば、夏休みをとっていなかったので、いい気分転換になった。
秋川渓谷、そして五日市。ときどき訪れたくなる場所だ。