自分なりの仕事手法(「仕事術」と呼ぶのはしゃらくさい)を書き留めておく。
仕事のスタイルは、変遷する。
自分に託されている仕事(タスクやミッション)によって影響を被る。
また、時々刻々PCやモバイルデバイスその他、技術的なアシスタントも進化を遂げる。これによっても影響を被る。
さらに、ある種の流行性を帯びた仕事手法からも同様である。
そのようなわけで、あくまでも、いまの自分の仕事スタイルを考察することは、自分を取り巻く環境と、自分がしなければならないこととの組み合わせを書き留めることではないかと思う。
ともかく、それを試みてみる。
現在の自分自身の仕事の特徴は、自らが決める要素が大きいことだ。
経営者は、自らがなすべきことを創造しなければならない。
自らの仕事を創造することが止まっては、会社の成長はいずれ停滞する。
“雇われる者”は、自ら仕事を創り出せるという裁量性に限界を持つ。
自らが仕事を創り出す前に、他から仕事を振り分けられることのほうが多いものである。
経営者は、自ら仕事を創り出すことをしなくても、すなわちいくらでものんびりすることを許されるが、そうした結果がなにをもたらすかについての責任からは逃れることができない。
さて、仕事を自ら創り出す者にとって重要なのは、「(アイデアなどを)発想すること」や「(計画・戦略を)構想すること」だ。
加えて、仕事を創り出しそれを指示することが多いので、「(実施状況を)監督すること」も重要だ。
■どう「発想」「構想」するか
知人や部下との会話などから、新たになすべきことを「発想」することは多い。ただし、思いつくことは多種多様な環境下、多様な情報源から得られるとしても、それを「構想」へと昇華する際にもっとも重要なのは、「他人との」ではなく、「自分との」会話である。
他人との会話の際に最も有用なツールは、メモ帳だ。
メモ帳に過度な期待や付加価値を求めてもしかたない。
要は、紙と筆記具が手許にあればよいと考えるべき。
ToDoのような形式で情報をハンドリングしたいのであれば、ごく小型のメモ帳と筆記具を手放さないようにすれば十分だろう。
また、文字入力のパフォーマンスを重視しないなら、iPhoneのような持ち運びに適した万能コミュニケータでも、十分用を足す。
要は持ち運ぶことさえ苦にならない筆記(記録)ツールであればいい。ToDoソフトでは、RememberTheMilkなどは定評がある。
もう少し、多量な記入をしたいのなら、A5判程度のノートがいい。
他方、「自分との」会話、すなわち、構想したり、整理したりなど、情報の二次処理(加工やら深化など)の段階では、ツール選択が一定の重要性を帯びてくる。
これまた、ノートと筆記具があればどうにかなるという面も大きいのだが、考えを整理していく(一覧化や図式化、論理構造化)には、大きな情報量を扱えるものがいい。
例を挙げると、
1) A5もしくはA4判のノート
2) MindManagerのようなマインドマップ作成ソフトウェア
3) Excel、Word、PowerPointなど、アウトライン(構造化)機能をもったドキュメントツール
などだ。
2)および3)は、当然ながらPCが必要なので、手軽さと汎用性で大判のノートに総合的な優位性がある。
私の場合、会議などでメモをとる、さらに、すき間時間になにか考える、整理する、という場合には、A5判ノートを用いる。オールマイティに近いツールと言える。
一方、他人の要素が少なく、自らのペースで考えの整理や発想など行う場合には、A5判ノートもしくはA4判ノートを用いる。1ページに多くの情報量を扱える、文字を書いて、さらに書き込みを加えたり、図を添えたりするには、面積が大きい方がいい。
ただし、これは私の仕事スタイルがユニークなところかもしれないが、ノートもメモも、あるいは会議などで配られた資料(そこに書き込みをするケースも多い)などは、あらかたScanSnapというドキュメントスキャナでPDF化してしまう。
スキャンしたPDFをEvernoteなどに貼り付けて、以後の(情報の)二次処理の材料とすることが多い。
言い換えれば、自分にとり価値があるメモやノートは原則として最後はデジタル化することになる。言い換えれば、あらかじめPCを使えるような環境にあり、時間を割くことを決めている「構想」や「整理」の仕事では、はじめから2)や3)で行けばいいと判断している。
注:「ニーモシネ」の写真は、Amazon.co.jpより、「RememberTheMilk」の社員はApple App Storeより