アイティメディアが運営するOneTopiに「メディアビジネス」を持たせてもらっている。
メディア稼業をめぐり、いま生起していること、自分が大切だと考えている視点を整理することに使っている。
拙くておぼつかない足取りだが、それもよしとしよう。
これまで述べてきた“オピニオン”の部分を、以下に整理しておくことにする。
もちろん、上記OneTopiに投稿したものからのピックアップである。
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マクルーハンのメディア論が出て50年。
実はそのメディア論の意義がいよいよ高まっているのが、21世紀のいまではないでしょうか?
私たちのテーマは「いま“クールなメディア”(冷たいメディア)はどう可能か」という点に立ち返れたらいいなと思います。
2010年6月16日 23時35分 SM3II
ところで、21世紀の“クールなメディア”の要件って何でしょうか?
私は、すでにマクルーハンに沿って触れてきた「参与性」を含み、
- 参加の仕組み
- ターゲティング化の仕組み
- 情報エコシステムの仕組み
が挙げられると思います。少しずつ述べていきましょう。
先に「21世紀のクールなメディア」づくりに、
- 参加の仕組み
- ターゲティング化の仕組み
- 情報エコシステムの仕組み
が必要と述べました。
既に触れてきた「参加」はひとまず迂回し、「ターゲティング化」を考えてみましょう。
2010年6月27日 22時39分 SM3II
消費者は通常考えられるよりも、ずっと小さな固まりなのだ。
さまざまな手法を用いて、この小さな消費者を見つけ出すためのプロセスが、メディアマーケティングの中心的な作業になるのである。
吉良俊彦 http://bit.ly/do63lb
吉良俊彦氏の論を紹介しました。
氏は「マーケティング」指向ですが、十分に示唆的です。そもそも
「小さな固まり」である消費者と、それをターゲットするメディアが確実なコミュニケーションをすることの困難が、従来つきまとってきました。
ネット時代と なってこれを克服する可能性が見えてきたのです。
2010年6月30日 20時25分 SM3II
私のイメージする「ターゲティング」は、いたずらに「大きな固まり」を介さずに的確なコミュニケー ションを可能にするモデルです。
それはあたかも、地球の反対側にいる友人にも不自由なく声が届く電話機のようなものです。
親密な会話のためにどうして大通 りで声を張り上げる必要があるでしょう?
2010年6月30日 20時31分 SM3II
大量生産と大量消費市場を支えるものとして、マス・メディアが登場した。19世紀初め、イギリスで「ペニー・プレス」と呼ばれた大衆紙が発行されるようになり、大衆向けの広告を掲載するようになった。…無数の商品の市場が生まれたのだ。
トフラー http://bit.ly/dw2a1N
じゃあマスがなくなったあとには、いったい何がやってくるんだろう?
それはミドルメディアだ。
ミドルメディアとは……マスメディアでもパーソナルメディアでもない、中間的な圏域のことだ。
佐々木俊尚 http://bit.ly/bJeAq2
「テーマ切り」メディアはターゲッティング・メディアであるがゆえ、検索エンジン経由の顧客やコミュニティとの相性が良いのです。
小林弘人 http://bit.ly/dBJ7Sx
これまで「ターゲティング化」について、考えを述べてきました。
マスメディア(が影響力大な)時代
が過ぎ去ろうとする中、“次”を考えようとすれば、インターネット技術とターゲティング化の組み合わせは見逃せない要素です。
ところで、そのターゲティン
グ、必ずしも評判が良くありません。
2010年7月4日 22時00分 SM3II
「ターゲティング化」が不評なひとつの理由は、読者が意図しない追跡をされる、その情報が一人歩き
する……という、個人情報の扱いに関する視点です。
懸念はよく理解できます。
読者、メディア(提供者)、そして広告主の間にある“合意”が対称でなけれ ば、懸念される通りのこととなるでしょう。
2010年7月4日 22時02分 SM3II
「ターゲティング化」批判には、もうひとつの視点があります。
ジャーナリストの佐々木俊尚氏が
と指摘するような課題です。 http://bit.ly/dysbYMフィルタリングとターゲティングがシステムとして完成したら、思いがけない情報に出会うということは、一切なくなります。
先ほどの佐々木俊尚氏の指摘は、「好きなニュースだけを読むネットニュースは偏食になりがち。新聞はバランスがよく…」といった新聞擁護論と相通ずるものでしょう。
いずれも、ターゲティング化は「思いがけなく」価値ある情報に出会える可能性を狭めるとの指摘でしょう。
2010年7月4日 22時03分 SM3II
「ターゲティング化が行き過ぎると…」との指摘は重要です。
と同時に、メディア(提供者)も読者
も、これまでになく情報活動の戦略性が重要となります。
情報活動に充てられる時間資源は有限です。
収集に「漏れがなく、ダブリがない状態」を実現する 「ターゲティング化」の意義は高まっていくでしょう。