@ITのNewsInsightが取り上げた「IT業界不人気の理由は? 現役学生が語るそのネガティブイメージ」、IPAフォーラム2007での討論会での議論がいくつかのブログやソーシャル・メディアの間に静かな(?)波紋を広げているのを知った。
討論会は「IT産業は学生からの人気を回復できるのか」をテーマに、業界の重鎮に加えて現役学生らがパネリストとして参加した。
現在この記事は、はてなブックマークだけでもおおよそ三百数十がブックマークされている。話題の記事と言えそうだ。
当社に限らずオンライン・メディアの多くが、このようにソーシャル・メディアとの連携機能を実装する流れにある。私自身も自分の関心吸引度とこれらソーシャル・メディアでの関心度を重ね合わせて見る習慣が付いてきてしまった。
それはさておき。
同時に、おもしろいことに、このパネリストとなった一人の学生氏が、自身のブログで、当該記事に注釈を付ける形で、オピニオンを展開た(「フォーラム2007で討論してきた」)。
また、上記学生氏のブログを読んだブロガー中島聡氏が、自身のブログ Life is beautiful で「優秀なエンジニアは『入社時のスキルを問わない会社』には就職してはいけない」を書いている。
上記2つのポストはいずれもおもしろいが、特に学生氏のものが良い。
さて、私はこの波紋のように広がる話題、あるいはネットワーク的に相関し合う話題性という情報伝達のあり方に、メディア(まさに、媒体としてのメディアだ)の新たな役割を感じる。
また、あえて言えば、このような役割を果たすことができた、当該記事の“幸福”を祝福しないではいられない。
この波紋の中では、当該報道記事は、さながら大海原で浮き沈みをしている浮標(ブイ)のような存在でしかないが、それはつねにパーマネントリンクによって座標情報を発信し続ける。
この座標情報を頼りに、今後もどれくらいの船が往来するだろうか。
オンライン・メディアの報道はこのような役割を果たしつつあるし、そう求められているはずだ。
それにひきかえ、大手新聞社サイトが報道後1週間も経たずに、リンクを消滅させている事態に幻滅を感じざるを得ない。いつになったら、一次情報の保証に真剣になるのだろうか。