さる1月29日に、あるイベントでNTTデータ システム科学研究所 所長の山本修一郎さんとご一緒させていただく機会を得た。
「特別対談」とあるが、それは僭越で、山本さんとともに登壇はしたが、私が公開で“インタビュー”させていただくというぐらいのものだ。
インタビューの内容はいずれ公開されると思うし、この投稿テーマとは離れるので割愛する。ここでは山本さんの、たくさんのポケットから縦横無尽に話題を投じたり、あるいは、打ち返されるさまは、実に見事だったことだけを記しておこう。
「特別対談」とあるが、それは僭越で、山本さんとともに登壇はしたが、私が公開で“インタビュー”させていただくというぐらいのものだ。
インタビューの内容はいずれ公開されると思うし、この投稿テーマとは離れるので割愛する。ここでは山本さんの、たくさんのポケットから縦横無尽に話題を投じたり、あるいは、打ち返されるさまは、実に見事だったことだけを記しておこう。
さて、“公開インタビュー”が終盤にさしかかった折、山本さんが来場者に向け「今朝、麻生首相の施政方針を読んでこられた方は?」と問いかけた。
見た限り、私を含め、すっと手を挙げた方は皆無だったようだ。
山本さんが指摘したかったのは、首相の施政方針演説の中に、ITが関与できるいくつかの重点施策が含まれていたということ。
それは、「低炭素革命」、「健康長寿」、そして、「(日本のソフトパワー=)底力発揮」だ(下記の写真をクリックして行けば、通読可能なレベルに拡大できる)。
確かに、私もイベント会場に向かう朝、自宅で新聞を開き、くだんの施政方針演説が全12段(最近は、「全15段」でなく12段なのだ...)ぶち抜きで掲載されていたことまでは気づいていた(言い訳がましいが)。
また、TVのニュース番組で関連報道がなされていた記憶もある。
しかし、不明を恥じることになるが、まったくその内容について認識を欠いていた。
ましてやその中にある“ITや技術が関与する分野”に注意を払うことなど思いもよらなかった。
ステージを終了した後の控え室で、冷や汗気味の私に、山本さんはさわやかに「新聞ってけっこう重要なメディアですよ」と付け加えた。
「まったくですね」。情けない返答の私。
もちろん、新聞はおそろかにできない。そう思い知らされた。
しかし、私は同時に、心の中でこうもつぶやく。
「いや、重要な原資料を全文掲載するといったアプローチは、新聞だからできるのではない」と。
見た限り、私を含め、すっと手を挙げた方は皆無だったようだ。
山本さんが指摘したかったのは、首相の施政方針演説の中に、ITが関与できるいくつかの重点施策が含まれていたということ。
それは、「低炭素革命」、「健康長寿」、そして、「(日本のソフトパワー=)底力発揮」だ(下記の写真をクリックして行けば、通読可能なレベルに拡大できる)。
確かに、私もイベント会場に向かう朝、自宅で新聞を開き、くだんの施政方針演説が全12段(最近は、「全15段」でなく12段なのだ...)ぶち抜きで掲載されていたことまでは気づいていた(言い訳がましいが)。
また、TVのニュース番組で関連報道がなされていた記憶もある。
しかし、不明を恥じることになるが、まったくその内容について認識を欠いていた。
ましてやその中にある“ITや技術が関与する分野”に注意を払うことなど思いもよらなかった。
ステージを終了した後の控え室で、冷や汗気味の私に、山本さんはさわやかに「新聞ってけっこう重要なメディアですよ」と付け加えた。
「まったくですね」。情けない返答の私。
もちろん、新聞はおそろかにできない。そう思い知らされた。
しかし、私は同時に、心の中でこうもつぶやく。
「いや、重要な原資料を全文掲載するといったアプローチは、新聞だからできるのではない」と。
たとえば、Business Media 誠で定着してきた「(ほぼ)完全収録」シリーズがある。
むしろ、新聞メディアでは、このように“ほぼ完全収録”の対象を広げていくのには無理があるだろう。
オンライン・メディアであればこそ、重要な原資料を掲載したり、リンクしたりして報道内容を深めていくことが可能だ。
また、原資料ならば、メディア側のステレオタイプに堕した解釈を抑止して読者の解釈に委ねることも可能になる。
問題は、自らの視線の磨き方だ。
自分の目が曇っていては、結果としてオンライン・メディアの可能性を生かせない。
むしろ、新聞メディアでは、このように“ほぼ完全収録”の対象を広げていくのには無理があるだろう。
オンライン・メディアであればこそ、重要な原資料を掲載したり、リンクしたりして報道内容を深めていくことが可能だ。
また、原資料ならば、メディア側のステレオタイプに堕した解釈を抑止して読者の解釈に委ねることも可能になる。
問題は、自らの視線の磨き方だ。
自分の目が曇っていては、結果としてオンライン・メディアの可能性を生かせない。