あらたにす掲載の記事から。
すでに過去エントリしたブログポスト(「佐川明美さんの『3つのニュース記事の違いは何でしょう?』に強く共感」)との関連で取り上げる。
同メディアの「新聞案内人」のひとり、水木楊氏(作家、元日本経済新聞論説主幹)のオピニオンである。
新聞案案人の中心主題は、新聞をいかに魅力的にするか、ということのようだ。
水木氏は、署名記事を増やすと、三つのメリットがあるという。
- 産地直送野菜のような安心感がある
- 記者の責任感、自立を高める
- 記者クラブの記者の意識も変わる
私にとっては、もう少し踏み込んだ視点、すなわち読者と書き手が横並びという関係を創り出そうというとき、署名性はひとつの指標となると考えている。無署名なものに対して、参加は生じにくいと考えるからだ。
世界中で、メディアの電子化が進んでいます。それは、情報を二極分化させていくに違いない。匿名情報と署名情報の二つです。
後者は、ひょっとしたら、会社の枠を越えていくかもしれない。メディアは百貨店の名店街のようになり、特色あるジャーナリストたちがあちこちの店(紙面)で、それぞれ店に合った商品(記事)を載せて腕を競うようになる。
そうなったら、どんなに楽しいだろうかと想像するのは、夢物語に過ぎるでしょうか。
この結語にも、基本的に賛成をする。記事は署名性というラベルが付くことで、その専門性を説明する。
たぶん、それだけではない。メディアからコンテンツへとアトム化が進むオンライン・メディアでは、コンテンツ(記事)一つひとつの方向性や品質、視点などを証明(説明)するのは、少なくともメディア企業という発行体のブランドではなくなるだろうと考える。
だとすると、「メディア企業」って、一体なにをするものなのか? それが究極の命題になる。