ITmedia Newsの報道から。
先週、メディア関連の報道においては、なによりもこの調査結果が注目だ。
博報堂DYの「メディア定点調査2009」によると、都内在住者のPCによるネット利用時間が伸びている。
特にインパクトがあるのは、「男性20代で初めてネット利用時間がテレビ接触時間を抜き、ネットは116.1分、テレビは110.9分だった」ことだ。
私の知見の及ぶ範囲でも、若年層のテレビ離れが進行しており、すでに20代の主人公を設定したテレビドラマが成立しなくなっているのだという。今回の調査結果は、この巷間指摘されている事態を裏付けるものとなった。
テレビとは、多くの人々との間で共通の時間体験を要請する。
だが、20代は、テレビの前におとなしく座っている時間を、強要しにくい世代である。
それは家族の時間を最も形成し得ない世代でもあると言い換えることができる。
「HDDやDVDレコーダがあれば、共通の時間体験から自由である」という反論も出てきそうだ。
しかし、私の体験する限りにおいて、録画行為とオンデマンド系番組の視聴とでは、その使い勝手、恣意性の面で雲泥の差がある。録画が“自由な時間体験”であるには、まだまだ道のりが残されている。
この調査で、再びインターネット市場が活発化しているとも読めるが、インターネットメディア側も安閑とはしていられない。
テレビも新聞も、いずれインターネット(IP)への最適化の道を歩んでくるのだから。
現下のテレビ視聴において、上記した弱点がある今のうち、インターネット(メディア)陣営は、テレビ番組程度の品位で、同時に時間と空間の両面において自在にコンテンツを視聴できるシステムを定着させなければならない。
また、50代、60代では、依然としてテレビ視聴に割く時間が、PCのインターネット視聴のそれを圧倒的に上回っていることは大いなる課題だ。市場はまだ伸びる余地があるということの裏返しでもある。この世代に対して、PCインターネットがキラーであり得るコンテンツはなにか。これまた創造性の働かせどころがあると言うべきだろう。